眼球の中の水晶体レンズが白く濁ってくる病気です。 水晶体は眼内に入ってくる光を屈折させ、網膜に焦点を合わせる役割があります。しかし、 白内障が進行するに従い、光の一部が遮断され、見えにくくなります。 原因としては老化による老人性白内障が最も多く、そのほかは糖尿病、ブドウ膜炎、ステロイドの副作用、アトピー性皮膚炎、外傷なども考えられます。 ●かすんで見える−曇った、はっきりしない、暗いといった見え方− ●まぶしくなる−光の強い戸外や逆光ではまぶしく、見えにくくなります− ●一時的に近くが見やすくなる−老眼が治ったような状態になり、眼鏡無しでも近くが見える− ●二重、三重に見える 白内障の程度によって異なります。白内障が軽度ならば、点眼療法で進行を抑制します。 症状が重い場合(視力が低下して、日常生活に支障がある場合や、視力が0.7以下になって運転免許の更新ができないなど)は外科的治療が必要になります。現在の白内障手術は主に、濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き(超音波乳化吸引術)、人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入するという方法で行われています。 白内障があるだけで、直ちに手術が必要なわけではありませんが、症状の進行具合や時期に よって治療法が変わりますので、まずは医師にご相談下さい。 患者様の症状により異なりますが、ほとんどの場合は日帰りでの手術が可能です。 手術は点眼麻酔で行いますので麻酔の注射は行いません(水晶体超音波乳化吸引法の場合) ●手術方法 【水晶体超音波乳化吸引法】 白目(強膜)と黒目(角膜)の境界部をメスで小さく切開した後、水晶体の前の膜を円形にとりのぞき、そこから超音波白内障手術装置を用いて中身を吸い出します。その後、眼内レンズを挿入して終了です。手術時間は切開から終了まで、およそ12分程度です。 【水晶体嚢外摘出術】 多くのケースは前述の水晶体超音波乳化吸引法で行いますが、中にはこの方法が不可能な患者様もおられます。その場合は水晶体嚢外摘出術で、大きく切開して眼球を圧迫して水晶体を押し出す手術法を用います。注射による麻酔を行うため、手術時間も長くなります。 白内障は患者様の症状により治療法が異なります。まずは医師にご相談下さい。